3分あれば読めるエッセイ「恋人との正しい別れ方」

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はな

私の主人は、私と付き合う前に7年付き合っていた恋人がいた。

恋人とそこまで長い年月を共にしたことがない私にとって、7年付き合ったのに別れるとはいったい何ごとなのか、と結婚した今でも考える。主人以外にも、私の友人にも同じような経験をした人はいる。世間では、長い付き合いを重ねても、結局結婚せず別れてしまうカップルが多いと言う。統計は取っていないのでわからないが、長く付き合えばいいというわけでもないらしい。

私の友人は、中学生の頃からずっと付き合っていた彼氏がいた。大学卒業までずっと付き合っていたのだが、彼が大学を出て他県へ就職することになり、そのまま消えるように交際は終わった。そもそも、別れる一年くらい前からずっと彼のことで悩んでおり、最近冷たいしそっけないとよく言っていたのだが、まさか長年付き合ってきたのにそんな形で別れになるとは私も思っていなかったので正直驚いた。彼には関係ないかもしれないが、ふたりの付き合いは中学生の頃からなので両親ともに仲良くしていたそうで、友人が一番気にしていたのは長年良くしてくれた彼の家族のことだった。

結婚しているわけではないが、それだけ付き合いが長くなればお互いの家族だってそれなりにいろいろと繋がりが出て来る。友人は相手の家族に向け、これまでお世話になったことやこんな結果になってしまったことについて手紙を書いたんだそう。

別の友人で、大学中ずっと付き合っていた先輩が、これまた他県へ就職が決まると共に消えたことがあった。先ほどの友人とは違うところがあるとすれば、前兆が全くなかったことだろう。なんだか最近冷たいだとか、そっけないだとかそういうことは全くなく、むしろ他県へ行く直前にふたりで旅行に出かけていたくらいだ。「また来たいね」「そうだね」なんてやり取りをしたと言っていたが、相手はそんな気さらさらなかったということだ。

それにしても、フェイドアウト式の別れは結構ある話なんだろうか。別れを告げるのは、確かに結構気が重い。だとしても、そのままずっと付き合い続けることができないゆえに別れたいと思うわけなので、頑張ってそこは誠意をもって伝えてほしい。少しずつ相手に嫌われるよう積み重ねていったりとか、夜逃げみたいにすっといなくなったりするようなことは、やめていただきたい。大体、そんなに長く付き合ったのに別れの言葉もないなんて、私ならモヤモヤしてしまう。

だが、女子トークみたいに「フェイドアウト? なにそれ、サイテーの男じゃん」と言っておいてなんだが、よくよく考えてみると、そんなあり得ない別れだった方がこの先、長く続いた思い出を引きずらなくて済むのかもしれない。「あいつはサイテーだった」と言い切れるくらいぶっ飛んだ別れ方の方が、次に進むときサクッといけるのかもしれない。下手にきれいな別れ方をしてしまうと、もしかしたらまたよりが戻るのかもと期待を持ったまま先に行けない可能性だってある。つまり、世の中には、恋人との正しい別れ方なんていうものは存在しないのだ。もっと言えば、きれいな別れ方なんて存在しない(と私は思っている)。

ちなみに、主人の場合7年付き合った末別れた理由は、彼女に浮気されていたことがきっかけだったんだとか。彼女は主人に飽きてしまい、主人は浮気されたことで彼女を信じられなくなってしまった。夫に飽きるまでがもし仮に7年だった場合、私はどうしたらいいのだろうか。夫に飽きるまでというタイトルに変えればよかったかもしれない。


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プロフィール
2あそこのほくろ

プロ小説家を目指す主婦。「通りすがりの人の身体のどこかにあるほくろくらいどうでもいい話」をコンセプトに、このブログで3分で読めるエッセイを執筆。小説家になろう・カクヨム・アルファポリスにてオリジナル小説を公開。

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