3分で読めるエッセイ「プロポーズまで」

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はな愛する人が目の前で跪いて、小さな箱を取り出す。中にはキラキラ輝くダイヤモンド。「結婚してくれますか?」というセリフ。

このプロポーズと呼ばれる儀式を行うにあたって、男性も女性も命を懸けていると言っても過言ではない。

私の友人は、長年付き合ってきた男性からプロポーズされず、じりじりしていた。今か今かとずっと待ち続けていたのだが、ついにプッツンしてしまい「私と結婚する気あるの? ないなら次に行きたいから別れたい」と伝えたところ、彼氏は「ごめん、ずっとタイミングを失っていて…実は今、頼んでいたエンゲージリングを待っているところなんだ」という驚きの言葉を口にした。ああ、あともう少し待っていれば、彼も男としてビシっと決められただろうに。と笑うしかなかった。

プロポーズに関して、女性は男性にものすごい期待とプレッシャーをかけている。そして、プロポーズの言葉と共にあってほしいのはダイヤモンドのエンゲージリングや花束やきれいな景色などなどインスタ映えする世界なのだ。そんなもの、もし私が男性としてこの世に生を受けていたら、怖くてプロポーズできやしない。今や、ダイヤモンドや花束やインスタ映えスポットでプロポーズするだけでなく、ダンスまで踊らなければいけない。どこかの鳥の求愛行動みたいだ。

もちろん、世の中の女性全員がそうではないが、心のどこかで自分だけのプロポーズシーンを思い描いている人が多い。そしてそれをさりげなく男性側に意識させるよう仕向ける。それが何を意味するのか、男性側は細心の注意を払って女性に対応しなければならない。大変だ。

私が以前勤めていた会社の上司で、長年付き合っていた彼女と結婚を決めたきっかけを訊いたところ「車の助手席にゼクシィを置いて行かれたこと」だったそうだ。これはそろそろプロポーズしなければまずい!と思ったんだとか。

また別の友人は、これまた先ほどの友人同様プロポーズの瞬間を今か今かと待っていた。

「全然プロポーズしてくる気配がないの。友達は誕生日に年の数分のバラの花束をもらって、素敵なレストランでプロポーズされたっていうのに。待ちくたびれちゃった。記念日も私の誕生日も過ぎちゃったし、来年なのかな」

なぜ、プロポーズされる日は付き合った記念日やなんとか記念日か、自分の誕生日だと決まっているんだろう。それ以外の日である可能性はないんだろうか。というより、年の数分バラの花を渡す人がいるなんて、都市伝説かと思っていた。

男性からプロポーズされるのを待たなければいけないのが嫌なら、自分からプロポーズを切り出したっていいと私は思う。本当に結婚したいのなら、自分から言おうが相手から言おうが同じこと。でも、女性は男性からのアプローチを待ちたいんだろうし、そもそも結婚というワードは女性も男性もかなり敏感でデリケートなもののようだ。結婚するということはただお付き合いするだけとは違う。これから先の人生を共にする、大切な一歩だ。だから簡単に口にできないし、気軽にプロポーズできない。「結婚する気はあるのか」と彼氏に聞いた友人は、ものすごい勇気を振り絞って訊いたんだろう。

私たち夫婦みたいに、お金がないから安い2500円のシルバーのエンゲージリングでも、結婚生活は送れる。実際に大切なことは、その先の人生だ。

女性がプロポーズを大切にしてほしいと思う気持ちや、男性が結婚という一歩を踏み出すその気持ちはわかる。だからこそお互い、物や形や周囲の当たり前に囚われるのはやめて、SNS系は全部切って、自分たちらしく一緒になればいいと思う。指輪やきれいな花束は結婚生活にとって何の役にも立たたないし、人生は山あり谷あり。それをお互い支えていくのが結婚なのだ。


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プロフィール
2あそこのほくろ

プロ小説家を目指す主婦。「通りすがりの人の身体のどこかにあるほくろくらいどうでもいい話」をコンセプトに、このブログで3分で読めるエッセイを執筆。小説家になろう・カクヨム・アルファポリスにてオリジナル小説を公開。

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