3分で読めるエッセイ「恋ってやつは」

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恋

恋をすると、みんなバカになる。バカなことをしてしまう。ちょっとしたことがすごく気になってしまう。そういうものだと私は思う。

私は片想いが実ったことの方が少ないし、お付き合いしたのも夫を入れて3人。これを多いと思うか少ないと思うかは、人それぞれだろう。

学生時代の同じゼミ生だった子(以降Y子とする)に「私はあんたより恋愛経験は上だ」と目の前で堂々と言われたことがある。あれは今でも忘れられない、衝撃的な出来事だった。

人の彼氏を悪く言うつもりは毛頭ないが、その当時Y子が付き合っていた彼氏は本当に、誰が見たって最低の男だった。

先輩だったY子の彼氏(以降M男とする)は、同い年で同じ大学同じサークルの彼女がおり、しかしM男は卒業できず留年した。彼女は先に卒業し働きに出たわけだが、彼女と一緒に過ごす時間が学生のときとは違い圧倒的に少なくなったせいなのかなんなのか、Y子に手を出した。Y子とM男は同じサークルの先輩後輩関係。当然、卒業していったM男の彼女もY子にとっては先輩だった。

私としては、誰が誰を好きになったとか、その理由とか、それに対してどうも思わない。M男のことも知らないし、どうでもいい。しかし、私だったら気持ちが悪い。彼女がいて、しかもまだ付き合っているわけだから、はっきりしてほしい。案の定、M男は彼女と並行しながらY子とも付き合い始めた。Y子はそれでいいと言っていた。

私はこれまで、Y子のこれまでの恋愛歴について詳しく聞かされていた。友達ではなく、ただ同じゼミだっただけだが、誰かと付き合った経験も浅い私は、知らないことばかりだから聞いていたわけである。キスが下手な彼氏、ケチな彼氏などなど、聞いておいて残念に思った。本当にどうしようもないくらい、しょーもない元彼たちだと漠然と思ってしまったからだ。

M男は今でいうモラハラ彼氏というやつだった。平気で人前でY子を怒鳴りつけたり、叩いたりしたりするのだとか。それを聞いたら、私はY子の知り合いとして「別れた方がいいんじゃない?」と言った。

当時、初めて彼氏ができたものの半年でフラれてしまって以来好きな人も彼氏もできなかった私だが、Y子にそう言ったのは、ただ彼氏いない人工が増えてほしいからではなく、そんなに変な人なら別れた方が幸せなんじゃないかと思ったからである。しかし、Y子にとっては余計なお世話だったのだろう。

「私はあんたより恋愛経験は上。たったひとりの人としか恋したことがないのに、偉そうなこと言わないで」

と言われたわけである。

今思い返してみても、Y子にかける言葉は変わらないと思う。でも、どんな言葉を言ったとしても、Y子は私の言葉を気に入らなかっただろう。恋愛というのは、たぶんそういうことなのだ。

好きで、好きで好きでどうしようもないくらい好きになって、付き合った初めての彼氏も、付き合ってみたら合わなかった。うすうす感じていたものの、でも別れるということができなかったので、ある意味フッてくれたことで自由になれた気もした。心は当然傷ついたけれど、周囲の友達からは「凛子には似合わない人だったよ」と言われた。

恋は盲目というのは、本当のことである。それに加えて、厄介なことに恋愛にはゴールがない。結婚することがゴールではないし、大恋愛の末結婚したとしても、離婚しないとは限らない。お互い残りの人生を数えるようになる頃、もしかして別の恋に落ちてしまうことだってあり得る。子どもが立派に育ったのをきっかけに、離婚する夫婦もいるという。

恋愛において、正解も不正解もない。最近は他人の恋愛についてとやかく割り込む人が増えているようにも思う。私としても「それっておかしくない?」と言いたくなることは山のようにある。だけど、それは本人の問題で、本人の人生に深く関わること。どんな恋愛をするかは人の自由で、他人に言われるより自分でいろんな発見をしていかなければいけない。それに、私がとやかく言える立場ではないのだ。

本当に、恋ってやつはどうしようもなく、めんどくさい。

 

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凛子

小説家を夢見る主婦。「通りすがりの人の身体のどこかにあるほくろくらいどうでもいい話」をコンセプトに、このブログで3分で読めるエッセイを執筆。小説家になろう・カクヨム・アルファポリスにてオリジナル小説を公開。